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フェンスの結末

7月頃だったでしょうか、我が家に突然一通の手紙が舞い込み、家を買ったとほぼ同時に建てた築3年の1.8mのフェンスにいちゃもんがつけられたのは・・・?

あれから4ヶ月、このフェンス話も一応結末を迎えることとなりました。

結論から言いますと、我が家を始めこの辺りで当時の自治体管理会社からの許可を得て1.8mのフェンスを建てた家はその自治体会社に「だまされた」ということになり、我が家としては今週、1.8mから1.2mに高さを下げる為の工事を始めることに決めました。

私もアメリカの不動産や自治体の仕組みというものをよく分かっていなかったのですが、最近になってようやく事の全容がつかめてきました。これを読んでいただけるとなぜ我が家がそういう結論をするに至ったのかがお分かりいただけると思います。

アメリカにも色々な住宅地のスタイル・・・というものがあるわけですが、我が家を含むこの辺りはまず何も建物が建っていないときに完成予想図としてすべての家が建てられたときの構想というものが練られます。単に土地の広さをそれぞれの家に割り振るということだけでなく、建物の形や大きさ、どの場所の土地には1階建てか2階建てか、そういったものを含めた「都市計画」のようなものが最初にあってそれを実際に建ててくれる不動産会社へ委託することになるのです。ですから、我が家の近所はどの家を見てもみんな似たような家ばかりなのですが、実際には4軒の不動産会社がそれぞれの業者を使って建てているのです。

ですので、この場所に住もうと思った場合には、自分が住みたいと思う土地のロケーションを担当している不動産屋さんから家を買うと言うことになり、どの不動産屋さんが建てたにせよ、出来上がりは同じ感じの家に仕上がり家の持ち主には同じ「自治体規約」が手渡されます。私の勘違いはここにあったのですが、日本ではまずある場所に何人かの住民が住んで、その人たちをまとめるために自治体が出来るような感覚があったのですが、私の住むところは逆で、先に住む人たちをまとめて管理する規約などがあって、それに納得いった人間がそこを買ってそこに住む・・・とそんな感じになっていたわけです。

それで以前の自治体管理会社の話になりますが、規約には「基本的には塀は1.2メートルとする。ただし、デッキやジャグジーなどがある場合は目隠しの為に1.8メートルを許可する」とありますので、現在「違反をしている」と言われているそれぞれの家はその規約に「従って」まずは自治体管理会社へ問い合わせ、目隠しが必要なものをまず庭へ作り、そして自治体管理会社から許可をもらい塀を建てました。

ここで問題だったのがその自治体管理会社だったのです。実は、自治体管理会社にはその規約に対して許可をしたりまたは却下する権限はもっておらず、住民からそうした相談や申請があった場合は規約を作ったその上へお伺いを立て、住民に許可か却下か・・・・という結果を伝える単なる仲介やでなくてはならなかったものを、それを知ってか知らずか、独自の判断で「許可」をしてしまい、それで我が家も含め、何軒かの家は塀を建ててしまったのです。塀を立てた住民は、自治体管理会社がその規約に関してすべての権限を持っていると思っていた為にそこから許可が下りれば問題なく塀は建てられるものだと思っていましたし(規約に関して自治体管理会社がどこまでの権限をもっているのかは自治体によって違うものらしく、管理会社がO.K.を出せばそれで済むというところももちろんあるそうです)、こうして問題が起きてからも管理会社が納得する理由を提示すれば問題は解決すると思っていたのです。

ところがここへ来て、私達の属している自治体では、管理会社はそういった権限を一切持っていないことが判明してしまいました。ですので、私達がいくら色々な理由を並べ立てても、本来ならば3年前に塀を建てようと相談したときに申請は却下されるべきことであったはずなので、何をどうあがいても1.8mの塀を持ち続けるのは不可能としか思えない状況になってしまったのです。

1.8mの塀を建ててしまった住民は、実は何の権限も持っていなかった自治体管理会社の「許可」に従って塀を建て、そして今こうして「違法建築」をしていると言われているわけです。

規約というものが住民による住民の住民の為のものではない以上、いくら争っても我々に勝ち目はありません。私達の住む場所の規約は元々管理する側の都市計画・街計画に沿って作られ、それに賛同できないのであれば、ここへは住むべきではなかったからです。

デイケア宅などは、家を購入する際に当時の自治体管理会社から「条件を満たせば1.8mの塀も建てられる」ということを聞いて今の家を買いました。その話がなければ彼らはここに住むことはしなかったのですから、彼らがなんとしてでも1.8mのフェンスを死守すると頑張る気持ちはよく分かります。


で、我が家のこれからの方針ですが(笑)まずは理由はどうあれ、規約違反であることが分かった以上、1.2mの塀に直します。・・・が、それでは終わらせず以前と現在の自治体管理会社を相手取って裁判を起こすことを検討中です。現在の自治体管理会社に至っては、前の会社からの引継ぎから1年半も経って突然こうしたフェンスのことを言ってきたことや、年会費として集められている自治体費に関してまったく収支報告がないことなど、とにかく「穴だらけ」の杜撰な仕事をしているということがあります。

早ければ月曜日、遅くても火曜日から工事は始まり二日間ほどで終了するそうです。終了後は、そるがジャンプして出て行かないように言い聞かせて、子供達が触っても怪我をしないようにやすりをかけないといけません・・・・。


なんとも後味の悪い結末となりましたが、一番しっかりしていなければならないところに我々はだまされたわけですので、このままでは終わりたくない、終われない・・・というのが本音です。
by kamenikki | 2008-11-10 13:13